みなさんは人生を変えるくらい影響を受けた本はありますか?
僕がそれまでに色々読んだ本の中で人生を大きく変えるくらい影響を受けた本、ジェームズ・アレン「原因と結果の法則」をご紹介します。
僕がこの本に出合ったのは18年くらい前でした。
その頃、その数年前に中途半端な気持ちで夢をあきらめ(今考えればただの自分の甘い考えが原因でしたが)色々な職を転々としていました。収入は生活費をかせぐのがやっとでした(その頃は自宅で輸入雑貨の販売などをしてました)。かけもちでバイトもやっていました。満たされない気持ちでいつもどこか悶々としていました。そして心の中では自分が成功できない、うまくいかないのは他人のせい、環境のせいなのではとすら考えていました。
そんな時に本屋で手に取ったのがこの本でした。
衝撃でした。自分のことを言っているのではと思いました。
「思いが人を作る。周りの環境すらも。」
逆だったんです。自分は環境や誰かによって作られたのではなく、今いる環境や得たものは全て自分の「思い」からきているんです。
今現在、万事順調ですべてが思いのままで悩みも特になく人生に満足している人よりも
現状は自分の望んでいる物とはちょっと違っていてもっと良い方向に変えていきたい、夢をかなえたい、目標を達成したいという人には是非読んでほしい一冊です。
著者 ジェームズ・アレンとは
ジェームズアレンはイギリスの哲学者で1864年に生まれました。
15歳で退学し職を転々とし38歳から執筆を始め1912年に48歳で亡くなるまでの短い期間に19冊の本を出版しています。
その中でも「原因と結果の法則」原題「As a Man Thinketh」は1902年に発表された彼の代表作です。
その後の自己啓発本の元祖となり「人を動かす」で有名なデール・カーネギーや「思考は現実化する」のナポレオン・ヒルにも影響を与えたといわれています。
また最近になって多くの作家が書いている成功法則や引き寄せの法則の原点ともいえるかと思います。
思いが人を作る
本書で作者が一貫して唱えていること。それは思いが人を作るということ。成功も失敗も、健康も病気も、繁栄も貧困も。
今ある自分が置かれている環境も間接的にまたは直接的に思いが作っていると著者は言っています。それがとても良いものであっても望んでいない悪いものであっても。
例えば一時期の僕みたいにさして望んでもいない工場で流れ作業の仕事をしていたことがあります。その環境はほかの誰かが僕をそこへ連れてきて働かせていたのでしょうか?最終的にそこで働くことを決めたのは自分自身でした。
例えば何か悪いことをして刑務所に入ってしまった人がいたとします。その人を最終的にそこへ閉じ込める原因となったのは本人が悪いことをするという選択をしたからです。貧しい環境にてもいなくても悪い選択をする人はいるものです。
悪い例ばかりではありません。良い例えも上げてみましょう。プロ野球で大成功を収めて大リーグでもスターになったイチロー選手はどうでしょうか。何も考えずある日気が付いたら偶然あの場所にいたのでしょうか?そんなことは決してありません。普通の人では考えられないくらい長年にわたる強い思いがあの場所に立たせたのではないでしょうか。
そして著者は人格も思いからきているといいます。いつも卑屈で悪いことばかり考えている人はそれなりの人格に、いつもきれいで優しくて愛にあふれたことを考えている人もまたそんな人格になると。
そして人格と環境は密接に連動していて人格を向上させようとすると環境もそれに合わせて変化していきます。人格の向上は心の在り方をしっかりとコントロールすること。コントロール次第でいい環境にも悪い環境にもなります。
成功をつかむには
やはり成功についても筆者は同じことを言っています。
自分の思いがすべてを作ると。
普段何も考えず生きていたらそれなりの人生です。流れるままに、ともすれば今の自分があるのは環境のせいや親のせい政治のせいで何も変えられない。しょうがないんだと思っているならそれは違います。
思いを変えて行動を変えると環境は変わります。
そして何か目標を達成したいと思うようになったり、大きな成功をつかみたいと思うようなら自分にはできるという信念を持ち、自分の心をよく観察し常にきれいにしておくこと。最大の敵は恐怖、嫉妬、疑いである。そしてそれらと戦うこと。自分の弱さを克服し心をコントロールすることだと筆者は言っています。
また、弱い思いを捨てて強い決意を持てば必ずいいチャンスもめぐってくるとも言っています。何かに挑戦したことがある人はきっと知っていると思いますが決意して表明して行動すると周りはあなたを応援してくれるものです。
原因とは? 結果とは?
原因とは自分の思いであり
結果とは思いとそれによる行動によって受け取る喜びとか悲しみのことです。
意識的か無意識にかは関係ありません。その時々で思っていることの結果を受け取ってしまいます。
良い思いも悪い思いも含めて
結果は偶然ではなく原因と結果の法則にしたがいやってきます。
なにを受け取るかはあなた次第ということです。
最後に
モヤモヤしている時に最後までこの本を読むとなぜか清々しい気持ちになり元気が湧いてきます。
人生をどこか他人のせいにしていた僕はそこから新しい挑戦をすることができました。自分の人生は他人や環境ではなく自分で作り上げていくことができるんだと強く思うことができたからです。
今を変えたいけどもう一歩が踏み出せない。環境を変えるにはどうすればいいんだ。夢をかなえるにはどうしたらいいんだと考えている人には本当におすすめの一冊です。抽象的でちょっとわかりずらいという人にはわかりやすく解説した本もたくさん出ていますのでそちらを読んでもいいかもしれません。
最後に本書の中で好きな一節を引用させていただきます。
あなたは あなたがなろうとする人間になる
卑しい心は 失敗の原因を見つけるべく 環境に目をやるかもしれない
しかし 気高い心はそれをたしなめ つねに自由である
気高い心は時間をしたがえ 空間を征服する
それは 偶然というほら吹きの詐欺師を怯えさせ
環境という専制君主から王冠を奪い 意欲的に奉仕する
人の意思 その不可視のパワー その不滅の魂の子孫は
いかに分厚い岩壁をも貫き 目標への道を切り開く
遅々とした歩みの中でも 忍耐を崩してはならない
理解する者として待つことだ
気高い心が立ち上がり命じたならば 神々は必ずそれに応えてくれる
引用:サンマーク出版 ジェームズ・アレン「原因」と「結果」の法則 訳:坂本貢一