とうとう2023年3月末をもって留萌本線の留萌駅から石狩沼田駅までの36kmが廃止となります。
また美しい自然の中を走る大好きな北海道の鉄道路線が短くなってしまいます。
残念です~( ;∀;)
さらに残りの区間である石狩沼田駅~深川駅間14kmも2026年3月で廃止となることが決まっています。
これは行かねばなりません。
留萌本線が深川から留萌まで走っていた頃の記録と記憶として残しておきたい。
個人的な趣味としてもどうしても行っておきたい。
廃止前だけ鉄道ファンが集まってくる沿線の住民の方々からすれば複雑な思いもあるんでしょうかわかりませんが、、、
とにかく冬の留萌に行ってきました。
※ちなみに留萌は「るもい」と読みます。「萌」という字が入っていますが「るもえ」ではありません。お間違え無きようお願いいたします。
留萌本線の場所↓
留萌本線の時刻表(2023年1月17日現在)出典:JR北海道
留萌本線に乗る
鉄道ファンを自称しておきながらまことに恥ずかしいのですが、留萌線に乗るのは初めてです。
自宅から留萌までは車で4時間ほど。
北海道はでっかい。
今回は留萌駅まで車で行きそこから列車に乗り深川駅までの間を往復で乗り鉄旅してみることにしました。
留萌駅
留萌駅はわりと大きな建物です。
留萌は大正、昭和の時代には炭坑や漁業の町としてかなり賑わっていたようです。
鉄道がなくなってしまったらこの建物はどうなるのかな、コミュニティーセンターとかかな、、、
昔は留萌駅から先さらに日本海側を南下して増毛まで行く路線(2016年12月廃止)、そして北上して宗谷本線の幌延駅までの141kmを結ぶ羽幌線(1987年3月廃止)というのがありました。
留萌駅の西側(海側)から駅を見ると今でも広い構内があり線路がいくつも分かれて沢山の列車が走っていた頃の面影を残しています。(ラッセル車がたたずんでいます)
そこから反対を向くと使われなくなった鉄橋も残っているのが見えます。(青〇が鉄橋、青点線は線路があったところ)
駅構内にたたずんでいたラッセル車。いつも除雪ご苦労様でございます(#^.^#)
待合室でそばと歴史にふれる
深川行き列車の出発まではまだ時間があるので留萌駅待合室にあるそば屋でそばを食べます。
にしんそば(650円)をいただきました。身欠きにしんの甘露煮がのっかっていてとっても美味しかったです( ˘ω₍˘ )⁾⁾
待合室には留萌本線の歴史や蒸気機関車が走っていた頃の写真、建設時の写真などが展示されています。
歴史年表によると留萌本線の開業は1910年!!100年以上の歴史です。すごいな~
蒸気機関車が走っていた頃を見てみたかった(´・ω・`)
記念切符
廃線に際して「ありがとう留萌本線記念入場券」がJR北海道から3000セット限定で2022年12月21日から1セット2000円で販売を開始しました。
今回留萌駅でこれを買おうと楽しみにしていたのですがすでに売り切れでした残念(´・ω・`)
北の大地入場券は引き続き駅の窓口で買えます。貴重な切符になりそうですね。
北の大地入場券のファイル方法はこちら↓
乗車!
発車15分くらい前に発車時刻のアナウンスがあり待合室にいたお客さんが改札口に並び始めます。
僕を含めて15人くらいでした。
おそらく全員が鉄道ファンかと思われます。
お昼の時間帯なので通勤通学の利用者もいないようでした。
乗車するのはキハ150。現在留萌本線では主にこのキハ150とキハ54が使用されています。
深川までは往復約2時間の旅です。
いいお天気の中列車は真っ白な雪原を見ながら進んでいきます。
途中、幌糠駅から恵比島駅までは山の中を通るルート。
グネグネとカーブを抜けトンネルを抜け峠を越えます。
100年前これを建設した時はさぞかし大変だっただろうな~
そして蒸気機関車がこの山を越える時の風景はどんな感じだったんだろうな~なんてことを想像しながら流れる雪景色を見ていました。
雪の中を走る列車を外から見るのがとても好きですが、車内からのんびり車窓を見るのもいいもんです(*’ω’*)
途中の駅ではぽつりぽつりとやはり鉄道ファンらしき方の乗り降りがあります。
そして列車は深川駅へ到着。
折り返しで留萌へと戻ってきました。
乗車券は記念にもらいました。大切に保管しておきます。
全駅訪問
留萌本線は約50kmの間に12駅あります。
全駅を訪れてみました。
留萌本線は単線ですが唯一行き違いができる駅になっていてホームが2つあります。
行き違い風景を少し離れたところから撮ってみました。写真手前が留萌、奥が深川方面
深川行きがやってきます
すぐに留萌行きも明るいヘッドライトを照らしながらやってきました
停車しヘッドライトが消されます
短い停車時間でそれぞれがまた出発します
平成11年にNHKで放送された連続テレビドラマ小説「すずらん」の中で「明日萌駅(あしもいえき)」として使用された駅舎(左側の大きな建物)が今でも残されています。実際の駅名は「恵比島駅」で右側の小さな建物が駅舎です。
実際の駅名よりも架空の駅名のほうが有名なのは根室本線で映画「鉄道員」の舞台になった幾寅駅(幌舞駅)みたいな感じですね。
とても味があって可愛らしい駅舎ですね
昭和46年まではここから北へと分岐し留萌鉄道がつながっていて鉱山からの貨物列車などが行きかう賑やかな駅だったようです。
真布を通過する列車をホームから
こちらの駅も1972年までは留萌本線とは別に札沼線とつながっていて新十津川や石狩当別、札幌へといくことができました。
2023年4月以降はこの駅が留萌本線の終点となります。
石狩沼田は時間・曜日によっては駅員がいるので時間を調べて駅窓口で北の大地入場券を買おうと行ってみましたが誰もいませんでした。(臨時休業?)
もちろんここも無人駅ですがとてもきれいに清掃されていて大事にされているのが伝わります。
なんと待合室にはストーブに火が!外は寒いのでとても助かりますね(*^-^*)
下の2枚の写真は2017年の夏に訪れた時のものです。この時も駅舎の周りやホームには花が飾られていてとてもきれいな駅だったのが印象的でした。
ちょうど列車が来ました
まとめ
いよいよ2023年3月末で留萌本線の石狩沼田から留萌までが廃止となります。
さらに石狩沼田~深川も2026年には廃止になってしまいます。
廃止前だけ乗りに行くなんて意味ないという意見もあるかもしれませんが、誰も乗らないままひっそりとなくなっていくよりは全然いいと思います。
1910年に開業し100年以上の歴史がある路線です。北海道と日本の発展に大きく貢献したことは間違いありません。
北海道にはこんな鉄道があったんだということを知るだけでも価値があることだと思います。
機会があれば是非現地に行って留萌本線の歴史に幕が降ろされる場面を見届けてみるのはいかがでしょうか?
その際には是非地元の美味しい魚を食べたりお土産を買ったり宿に泊まったりしてめいっぱい楽しむことをお忘れなく(*^-^*)