タイトルの写真は2019年4月に廃止になった夕張支線鹿ノ谷駅です。JR北海道の路線は縮小の一途をたどっています。
北海道の田舎だけじゃないと思いますが、
田舎の交通手段はほぼ車しかありません。
僕の住んでる村でもバスは一日に数本。はるか遠くにある最寄り駅にやってくる列車も一日に数本。
もちろんタクシーを呼んだり、街によってはコミュニティーバスを運行しているところはありますが車を持っていないととても不便です。今は車を持っていて運転もできるので問題ありませんが歳をとって運転ができなくなったらどうするかは今後田舎に住み続けるなら考えておかないといけない大きな問題です。
そこで北海道の交通の将来について自分なりに考えてみました。
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北海道の交通網 過去と現在
これは1964年の北海道の鉄道路線図です。総延長は約4000km。小さな町から大きな都市まで北海道中をくまなく網羅しているのがわかります。今ほど車を持っている人も多くなく移動の中心が鉄道だった時代です。
続いて2020年現在のJR北海道路線図です。総延長は約2500km。すでに廃止が決まった路線や今後廃止が見込まれる路線もあるのでさらに縮小していきます。儲からない路線はどんどん本数を減らし最終的には廃止となってしまいます。
ちなみにJR北海道の2019年度の経常収支は単体で204億円の赤字です。路線ごとの収支もすべての路線で赤字となっているようです。2020年はコロナでさらに赤字は拡大することが予想されています。
鉄道がカバーしていないエリアの公共交通機関は路線バス、高速バス、タクシー、一部の長距離は飛行機になります。路線バスは都市部を除いては一日に数本というのが普通です。
これは2020年現在の北海道内の高速道路図です。太い実線は開通している路線、太い点線は工事中か計画中の路線です。鉄道とは逆に路線網を拡大しています。現在も将来的にも鉄道より道路を優先していることがわかります。
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北海道の人口推移
今後の北海道の交通事情を考えるうえで人口の動向も見ておきましょう。上の表は大正9年~平成27年までの北海道の人口推移です。左側が市部(都市エリア)、右側が郡部(田舎エリア)を表しています。
総人口のピークは平成7年の569万人、そこからは徐々に減少しています。
右側の表、郡部(田舎エリア)では人口のピークは昭和25年の276万人をピークに減り続けています。もう70年も減り続けているんです。
上のグラフは市部(都会エリア)と郡部(田舎エリア)の人口推移をわかりやすくしたものです。
左上の図1は2020年現在の北海道の人口と2045年の推計人口です。2020年総人口は約521万人、2045年の予想は400万人です。121万人も減る予想です。
左下の図2は年齢ごとの人口構成です。オレンジが65歳以上、黄色と青が0歳~64歳の人口です。65歳以上の高齢者の人口はあまり変わっていませんが64歳以下の人口は減り続ける予想になっているのがわかります。
北海道の公共交通の未来
未来のことは誰にも分りませんが現状と人口の予想などを見ると劇的な変化がない限り田舎の人口は減り続け鉄道もバスも本数を減らし続け廃止になる所が多くなることでしょう。
なぜなら儲からない→だったらやめましょう。の流れです。営利企業が鉄道やらバスを運行しているんですからしょうがないです。企業努力にも限度があります。
そして都市部への人口の偏りはどんどん大きくなってしまいます。
で、ここからは僕の希望的意見ですが、儲かる儲からないで言えば北海道の鉄道やバスは儲からないに決まってるんです。人が少ないんですから。
かと言って儲からない路線はすべて廃止にしてしまえば大切なインフラがなくなって田舎はさらに衰退していきます。
「田舎だけど車があるからいいじゃん。鉄道なんかなくてもいいよ」と思うかもしれませんが歳をとって免許返納したらどうするんですか?その時にはおそらくバスも廃止になっていると思います。札幌に引っ越しできる人はいいですが。5年10年は大丈夫かもしれません。では20年後、50年後、100年後は?(新しいテクノロジーで解決してるかもという話は一旦おいといて)
鉄道やバスは電気や水道と同じインフラです。人や物の移動がスムーズにできない場所は発展しません。
利益が出にくい北海道や四国、九州などの人が少ないエリアの公共交通は国営で行うべきだと思います。
コロナ騒ぎがおさまったら観光客もいづれ戻ってくるでしょう。
札幌、小樽、函館、ニセコ、富良野など一部のエリアは活況を取り戻すと思います。
ですがこのままいけば人口は減り続けます。特に田舎エリア。
鉄道もバスも廃止され不便になり住民は高齢者だけになり仕事もないので若者は都会へ行きます。都会と観光地、あとのエリアは荒野なんて北海道は寂しいですね。
北海道は広いです。地域ごとに全く違う素晴らしい特色があります。
だから街の中や街と街をつなぐ鉄道やバスはしっかりと誰もが使えるインフラとして残し、駅を基点に街づくりをしそこに住んでる人も観光客も楽しめるようにするのがいいんじゃないでしょうか。人口減少を悲観していてもはじまりません。10年後、50年後、100年後も観光地と都会だけじゃなく北海道全体にたくさんの人が集まるほうがいいと思います。
大好きな北海道が衰退よりも発展していくほうが楽しいなと思います。
そんなことを時々考えるので書いてみました。長々と読んでいただきありがとうございました。
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