寿司屋の仕事を辞めてカナダにも少し慣れてきて英語もほんの少しですがわかるようになってきたのでいよいよバンクーバーを離れ広大なカナダを見て回るために長距離バスに乗って旅に出ることにしました。
それまでの話↓
未経験からプロの寿司職人を目指す!!海外で独立開業も↓↓計画ルート
バンクーバーに緊張の到着から数カ月、何もかもがわからないことだらけでした。
全く何も調べず何も決めず英語も全くできないまま出発したので当然といえば当然ですが、、、
ですが全てが新鮮でした。
ユースホステル住まいから仕事を見つけ
銀行口座を開設し
家を見つけ(寿司屋の仕事をしてる時にこれも日本人の友人からの情報をもらいある家のベースメントに部屋を借りていました)
ちょっと慣れてきたところで旅に出ようとしていました。
思えば出発前に思い描いていた、
カナダに到着 → 家を見つける → 仕事を見つける → ちょっとお金に余裕ができる → 旅に出る
そんなざっくりとしたプランにほぼ近づいていました。
細かく一個一個を思い返すと「全て」が想像していたものと違っていましたが自分をその状況にぶち込んでやると否が応でも必死になるのでなんとかなるもんだなと思います。
ま、慣れてきたといっても英語もやっとカタコトで買い物とか必要最低限のことができる程度でした。
“Can I have ~?” 「キャナイハブなんちゃらかんちゃら」という買い物などで便利なフレーズをこの頃は多用していました。
ワーホリの期間は一年あるのであと半年くらい残っていました。
ここはまず一カ月程度の小旅行をして旅行者としてのレベルをあげておきワーホリ最後のほうにメインイベントの大きな旅行をもってくることにしました。
計画は、
グレイハウンド(Greyhound)というカナダとアメリカ全土に長距離路線網を持つバスの一ヶ月乗り放題パスを買い冬のカナダ旅行をするというものでした。一ヶ月のバス旅行です。日本国内で一ヶ月間バスに乗り続けて旅をするとか言ったらちょっと頭おかしい人かと思われそうですが、カナダには一ヶ月バス乗り放題パスなるものがありました(現在はもう乗り放題パスは売ってないそうです)。自分でも一ヶ月バスに乗り続けたらどうなってしまうのか想像できませんでした。
とにかく僕にとっては日本 → カナダに次ぐ大きな移動です。
計画のルートはこんな感じでした
バンクーバー
↓
バンフ(ここでロッキー山脈でスキー)
↓
カルガリー
↓
エドモントン
↓
ホワイトホース(オーロラを見る)
↓
サスカトゥーン
↓
トロント
↓
バンクーバー
全部バス移動。
それぞれの町には4日から7日ほどユースホステルに泊まりほぼ全て自炊。
スキーとオーロラを見る以外は特にこれといった目的はありませんでした。
そもそもカナダに来た目的自体特に明確なものがあったわけではなかったので問題ありません。
とにかくどこか行ったことのないところに行ってみたかったのだと思います。
旅に出る バンクーバー~バンフ~カルガリー~エドモントン
それまで慣れ親しんだバンクーバーにしばしの別れを告げていよいよ出発の日がやってきました。
バンクーバーダウンタウンから少し離れたところにあるバスディーポからグレイハウンドのバスに乗り込みます。
思えばこの数カ月で色々なことがありました。
空港の税関で係官が何を言ってるかわからなかったこと
キュウリを使って練習した寿司が投げ捨てられたこと
銀行口座開設時にPIN(暗証番号)の意味が分からず苦労したこと
などなど
我ながらよく乗り越えたな~と
ちょっと感慨深く思い出しながら車窓を見ていたことを覚えています。
バスはバンクーバーの町を出てひたすら東へ走ります。
バンクーバーからバンフは車で10時間くらいかかります。
何時に乗ったのかは記憶にありませんが早朝バンフ着いた記憶があるので多分夜に出発したんだと思います。
早朝ロッキーの山々が車窓に見えてきます。
とんがった山の上には雪が残っています。
早朝のロッキー山脈の風景に鳥肌が立つくらいに感動しました。
バンフでは5日間ほどユースホステルに滞在しました。
途中スキーに行ったり街をぶらぶらしたりしてました。
夜はスーパーで買ってきた食材をユースホステルのキッチンで自炊しあとはのんびりしていました。
今ほどお酒も飲まずインターネットもなく夜は時々出会う日本人旅行者と会話したりテレビ見たりその辺に置いてあるガイドブックやら雑誌を眺めたりしながら過ごしてました。
快適な滞在を終え次の目的地カルガリー、そしてエドモントンへと向かいます。
ロッキー山脈を東側へ抜けるとカナダはひたすら大平原が続きます。
最初は大平原に感動し「おーーー!!」ってなってましたが、何日も同じ景色が続くとさすがに飽きてきます。
カルガリー、エドモントンでも数日づつ滞在しました。
季節は冬、たいして見るものもなく外はものすごく寒いので町ブラもほどほどにして宿でグータラしてることが多かったように思います。
エドモントン~ホワイトホース
次はエドモントンを出発しホワイトホースへ向かいます。
今回の旅の目的らしい目的の一つ「オーロラ」を見るためです。
夜空に揺らめくゆらめくカーテンのような不思議な光景。
これは一生に一度は見たいと思っていました。
写真などでは見たことあったのですが実物をこの目でみたらさぞかしすごいもんだろうと期待に胸をふくらませていました。
ホワイトホースはユーコン準州の州都でアラスカの東側、エドモントンから2000km北西にあります。
2000km!?2000km!?(; ・`д・´)
2000kmというと鹿児島から青森くらいの距離です。
普通は飛行機で移動する距離です。
バスで行くこと自体どうかしてると思いますが、その時はそんなにお金もなかったので飛行機に乗る選択肢は最初からありませんでした。
今なら絶対バスで行こうなんて思いませんが、その時はあまり遠いなぁとかは思いませんでした。
エドモントンを夜出発し二晩をバスで過ごしホワイトホースに早朝到着です。
もちろん途中バス停を含めて何度も止まります。
ご飯休憩もあります。
景色はただただ寒空の荒野です。
所々に立ってる案内板の”Whitehorse 1500km”とか”1000km”を見ると「え、まだそこ?(ヽ”ω`)」て感じでした。
始発のエドモントンから終点のホワイトホースまで乗ってる物好きはほとんどおらずお客さんがバス停で入れ替わり立ち替わりします。
疲れるのもありバスの中でもよく眠れました。
ぐっすり眠るにはがっちり疲れるに限りますね。
そんこんなで二晩をバスで過ごし早朝ホワイトホースのバスディーポ(バスの駅)に到着しました。
外はまだ真っ暗。そして吹雪。「あ~寒そ~」
バスディーポはバスごと建物の中に入りシャッターが閉まるようになっています。
バスを降りまだ暗いホワイトホースの街に出ます。
激寒です。
宿の場所はガイドブックで調べてあったユースホステルまで歩いていきます。
途中同じタクシーが何度も視界に入るようにアピールしてきていたのは気づいたのですがそんな近距離でタクシーに乗るほど裕福ではなかったのでしっかり無視して歩き続けます。
ようやくたどり着き部屋が空いているか聞くと幸いなことに空いてました。
ホテルの一部をユースホステルとして使用しているタイプでした。
なので普通のホテルですが誰かくれば相部屋になります。
ベッドが二つあり到着時には誰もいませんでしたが次の日にカナダに住んでるというドイツ人の男と相部屋になりました。
ベッドの上はいいですね。
当然ですがバスの座席とは比べ物にならないくらいゆっくり寝れます。
ホワイトホースの街は小さくこじんまりしています。
クルマではないので端から端まで行ったわけではありませんが冬場たいしていく所も見るものもありません。
そして何より寒い。マイナス20℃とか30℃だったと思います。
晴れた夜に揺れるオーロラを待ち望むこと4日間。
結局一度も晴れずオーロラを見ることはできませんでした(T_T)
2000kmが、、、、往復4000kmが、、、、
そんな退屈なある日の朝、相部屋になったドイツ人が
「スカグウェイに車で行くけど一緒に行くか?」
とのお誘いしてくれました。
オーロラを待つ以外はすることがなかったので特に断る理由はありません。
一緒に行くことにしました。
ただ何しに行くとかいろいろ説明してくれたようなんですがなんせ英語がまだほとんどできなかったのでよくわからないまま行くことになりました。
ま、悪いやつでもなさそうだし行ったことないとこだし面白そうだしいいかって感じで。
スカグウェイ(Skagway)はホワイトホースから南へ車で二時間くらいのところにあるアメリカ、アラスカ州の港町です。
ドイツ人のちょっとぼろいピックアップトラックの助手席に乗り込み無言のまま真っ白の荒野を走ります。
途中彼の知り合いらしき人の家でお菓子をごちそうになりました。
連れてこられた子ども状態でよくわからないまま小旅行は続きます。
スカグウェイはカナダ国境すぐ近くですが一応アメリカなのでアメリカ入国の税関があります。
税関を抜けると町までは近くです。
ドイツ人トラックは町の中のカフェ(だったと思います)へ向かいます。そこで誰かと待ち合わせをしているようです。
ここでようやくここへ来た目的がわかります。
ある日本人女性がスカグウェイから出る船(直行便かどうかはわかりませんが)で日本に帰るのでドイツ人はその女性にお別れを言いに来たのです。
カフェに現れたその女性に聞くと日本の医学生で日本に帰ったら医者になるとのことでした。
根掘り葉掘り聞くことはしませんでしたがお別れの時ハグし合いかなり名残惜しそうにしていたのでいい関係だったのでしょう。
僕は邪魔しないようにお別れの時間は離れたところにいました。
ホワイトホースへ戻るとドイツ人の彼も次の日に自分の家(多分ユーコンのどっか)に帰っていきました。
オーロラは見れませんでしたがなんか面白い体験ができました。
2000kmもと来た道をエドモントンまで戻りそこからバスを乗り継ぎさらに東へ。
サスカチワン州のサスカトゥーンへと向かいます。
サスカトゥーン~トロント~バンクーバー
サスカトゥーンでも数日を過ごします。
平原の真ん中にあるまあま大きな町でした。
ホワイトホースほどではないですがすごく寒かった記憶とユースホステルの下の階が夜中までやってるバーでうるさかった記憶しかありません。
そこからさらに東へ。
カナダ最大の都市トロントへ。
サスカトゥーンからは約2800km。
もう驚きません。
ひたすらバスに揺られ平原を行きます。
トロントでも5日ほど滞在しこの大きな町を見物してまわります。
西海岸のバンクーバーとはだいぶ雰囲気が違います。
日本でも田舎者なのでトロントはものすごい大都会だなとその時は思いました。
ここまでも自分的には結構な大冒険でした。
そして一人旅も一番下のレベルからちょっと上に上がったような気がしていました。
ユースホステルでももう我が家のようにくつろぎキッチンで料理してご飯食べていました。
ちょっと不慣れな旅行者を見ると
「これだから初心者は困るな」とか思ったりしてました。
約一ヶ月にわたり自分なりにとても充実して楽しい冒険をすることができました。
バンクーバーへは4500kmの道のりを3日間バスに揺られて帰りました。
途中所々で行われるバスの消毒の匂いがしばらく服についたままだったのを覚えています。
バンクーバーに戻った後は周辺の小旅行に何度か行きました。
旅行で強く感じたのは
「やはり英語必要だろ」
でした。
そしてワーホリ終盤になってやっと英語学校へ行くことにします。
周りの人にはよく順番逆だろと言われてました。
が、ともあれそれから3カ月間ほど英語学校に行くことになったのでした。
つづく
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